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★概要

 NORDOST VALHALLA 2 REFERENCE(ノードスト・ヴァルハラ2)は、アメリカ合衆国のNORDOSTが製造・販売しているインターコネクトケーブルである。言わずと知れた初代VALHALLAの後続で、NORDOSTのラインナップにおいてはODINに次ぐハイエンドにあたる。

VALHALLAの名を冠しているだけに、初代VALHALLAの強烈で特徴的なサウンドを思い浮かべた方も多いかと思うが、VALHALLA 2はむしろODINの廉価版という印象が強いケーブルで、高性能・ハイバランスなサウンドが特徴である

詳細は後述するが、このケーブルの費用対効果は素晴らしい(他社の同クラスのケーブルと比較して、ということ)。78万円/mという価格は、100万円クラスの大半よりも安価であるが、実力的にはそれらを上回る場合が殆ど。50万円/mのORIGO (JORMA DESIGN)も、その価格帯では抜きん出た実力を備えていたが、このVALHALLA 2のコスパはORIGOをさらに上回るものと思われる。

余談だが、このVALHALLA 2については筆者自らが所有したわけではないが、これまでに2度ほどマイシステムで試聴の機会をいただいている(さすがにOPUSやODINを所有する立場としては、新たにVAL 2を購入するのも気が進まない)。一度目はB&W 800D時代、もう一度はAVALON DIA時代である。いずれも数日の試聴だが、比較対象として他社の100万円クラスを多数使用したので、性能・個性を問わずそれなりに味わえたと感じている。但し、あくまでオーナーになったわけではないことから、このファーストインプレッションを更新するつもりはない(するとしたら、オーナーになった時だろう)。悪しからず。

[価格]

国内参考価格:78万円(1.0m、税別。出典:エレクトリ)

[Specification]

Insulation:High purity class 1.1 extruded FEP

Construction:Dual Mono-Filament with two layers of silver plated shielding

Conductors:10 x 24 AWG Solid-core

Material:85 microns of silver extruded over 99.999999 OFC

Connectors:HOLO:PLUG ™ Gold plated RCA/XLR

Dielectric constant:1.38

Capacitance:17.0pF/ft

Inductance:0.076 uH/ft

Propagation Delay:87% speed of light

[参考サイト]

メーカー公式サイト

正規代理店・エレクトリのページ

[外見・取り回し]

 外見はシンプル。ODINや初代VALHALLAがそうであるように、このVALHALLA 2も余計な装飾はほとんど無い。強いていえば、中央部のウォルナットは飾りだと思われるが、これはシリアル等の刻印プラス偽装対策としてはめ込まれたものと考えられる(前身の初代VALHALLAは、恐らく全ケーブルの中で最も偽物の点数が多いケーブルだった)。

取り回しは、文句が出ない水準だろう。ODINもそうだったが、太かったり重かったりするものが多いハイエンドケーブルの中にあっては、すこぶる扱いやすい。他がどうであれ、VALHALLA 2は十二分に扱いやすいと思うので、これ以上の解説は不要かと思う。

 ★音質レビュー

 [概要・タイプ]

 音場型・微寒色系のケーブル。ODINや初代VALHALLA同様、銀銅線の温度感を備えたケーブル。音場・音色共に、NORDOST ODINに極めて近い。VALHALLAと名が付く以上、あの張りがあってキレ味バツグンな高音域や若干ピーキーながら鮮烈な中音域を思い浮かべる方も多いと思うが、VALHALLA 2の場合はむしろ「何も犠牲にせず全てを高次元でバランスさせる」というODINの姿勢に倣っている。逆に、初代VALHALLAにあるような尖りは影を潜めているともいえる。明暗の次元でいえば、初代VALHALLAよりは若干暗によるが、これもODINと同様の方向性。

こうは言ったが、抜群のスピード感、広大なサウンドステージ、引き締まった音像、音の分離感などのNORDOST固有の良さについては、このVALHALLA 2でも健在だ。他社の100万円クラスと比べると、それが一層よく分かる。VALHALLAに比べればダークな音色も、たとえばREFERENCE XL(TRANSPARENT)やGRYPHON(Stage iii Concepts)に比べるとライトであるし、BLACK LABEL II(NBS)やARMONICO(Fono Acustica)などに比べると、音像のインパクトよりも音場の広がりを重視しているのがよく分かる。また、GRYPHONなどと比べるとステージは奥行きよりも左右重視であることが分かる。このあたりは、上位のODINやSTEALTHのSAKRA等と似たような傾向と言えよう。温度感は、NORDOSTの他のケーブルと同様に若干クールであり、熱気や迫力よりもスピードやステージの広がりを求める方にオススメしたいケーブルである。

余談ながら、VALHALLA 2と他社の100万円クラスの聴き比べについても、アップする予定。乞うご期待ください。

 [基本性能]

 ファーストインプレッションであるから、スコアリングは時期尚早ということで割愛する。但し、その基本性能はNORDOST ODINに迫るレベルのもので、価格に比して極めて優秀であるということは申し上げねばなるまい。情けない話を告白すると、古い音源やローエンドのクオリティが問題になりにくい音源でブラインドテストを行った際は、それなりの確率で外した。読み間違えるというより、そもそも違いが聴き分けられなかった。もちろん、録音のクオリティが上がれば上がるほど音のクオリティにも顕著な差が現れるのだが、音源によっては「3倍の価格差はどこへいった?」というような感想になる。システムのレベルが上がればまた違った感想になるとは思うが、それなりの環境で鳴らしたAVALON DIAMONDやB&W 800Dで聴いた感想なので、全く的を外したものだとも思っていない。NORDOSTには悪いが、コスパという概念をものともしない一部の富豪を除けば、多くのオーディオファイルはVALHALLA 2をチョイスするのではなかろうか。

余談だが、ここからくる予測として、第一にNORDOSTが現行ODINを上回る後続を用意している可能性、第二にVALHALLA 2を廃止し、別名を冠した新たなラインナップを用意する可能性が導ける。これは、VALHALLA 2をかつてのValkyria(ヴァルキリア)になぞらえた予測であり、VALHALLAに迫る性能を備えていただけにVALHALLAの売り上げを食ってしまったValkyriaの如く、VALHALLA 2がディスコンとなる可能性を危惧するものである。 

[ポジショニング]

 これといった得手・不得手があるわけではない。値段に対する基本性能が非常に高いのと、音場が左右重視であり、音像の迫力もある程度はあるので、NORDOSTのケーブルとしては意外なほど音像重視のシステムにも馴染む筈だ。その場合は、VALHALLA 2は可能な限り前段に回し、より音像表現に特化したケーブルを後段にもってくるのがよいだろう(より、インパクトは強まる筈だ)。

もちろん、音場重視のシステムであれば、どこに入れたとしてもかなりのパフォーマンスを発揮するだろう。DAC・プリ間かプリ・パワー間かは、もう1セットを何にするかによるだろうが、音場型の中では左右の広がり重視のケーブルなので、左右重視でシステムを組みたいなら後段の方がよいやもしれない。が、なんだかんだでトライ・アンド・エラーでベストなポジションを見つけるのが最良なのは間違いない