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 ★概要

Synergistic Research TESLA Hologram A/D(シナジスティックリサーチ・テスラ・ホログラム)は、アメリカのSynergistic Research社が製造していた電源ケーブルであり、同社のフラッグシップモデルだったケーブルでもある。今回、レビューしたのはHologramシリーズの元祖であり、現在は後続のTESLA SE Hologram A/Dが製造・販売されている。尚、ここでは便器上A/Dと明記したが、これは、Hologram電源ケーブルにはアナログ用(Hologram A)とデジタル用(Hologram D)の2ヴァリエーションがあるという意味であり、A/Dは製品名ではない点は悪しからず。

また、Active Shieldなる非常に特殊なノイズ対策装置を搭載したケーブルであり、本体とは別に専用のコンセントプラグを接続するスペースが必要になってくるため、導入時はこの点に注意する必要がある。

[価格]

MSRP:不明

[Specification]

Geometry: 4 x Hologram D

Conductors: 8 x Silver Matrix Alloy / 4 x Silver Matrix Weave

Connectors: IEC FPC Copper Pins Voiced With 4 Micron 24K Gold

Wall Plug: Ovaide P-079 AC Plug

[参考サイト]

Synergistic社HP・Hologram Dのページ

Synergistic社HP・Hologram Aのページ

[外見・取り回し]

TESLA Hologram A/D(以下、Hologram)の構造は、ハイエンドケーブルによくあるような少々太めのもので、太さ的にはKubala-Sosna Elation! やNBS初代BLACK LABELなどと似たようなものであろう。黒くて密度感のある造りが、質実剛健な音作りを想起させる(無論、勝手な妄想である)。

取り回しは、高級ケーブルにしては標準的なもので、楽ではないがそこまで苦労もしない、といった程度のもの。上の例を用いるなら、Elation! よりは手古摺るが、初代BLよりは遥かに楽、といったところか。ただし、アクティブシールド方のコンセントプラグは少々特殊な形をしているため、これを接続するコンセントを確保するのに苦労するかもしれない。

★音質レビュー

[基本性能]

基本性能総合:ハイエンド上級

解像感:4

情報量:3.5

S/N感:4.5

情報コントロール力:4

周波数レンジ感:3.5

帯域バランス:4.5

汎用性:4

音の分離感:4.5

(評価:MAX>5>4.5>4>…>1)

同価格帯にあっては、非常にバランスが良く使いやすい優良機種。音場も音像も、大きな癖なく平均的なサイズ・形(同価格帯でという意味)であり、なおかつ縁の下とも言えるS/N比と音の分離が優れていることから、非常に使いやすいケーブルに仕上がっている。

Kubala-Sosna Elation! とは非常によいライバル関係にあり、Elation! が主に情報量とレンジの広さ、そして音像の実体感で優れているのに対し、HologramはS/N感と音の分離感、そして音場の広さで優っている。音色はどちらも微寒色だが、Hologramの方がより華がある。

尚、音質面での汎用性は悪くないが、アクディブシールドがコンセント口1つを余計に消費する点は、人によってはマイナスポイントになってくるところであろう。

[タイプ]

ニュートラル型・微寒色系のケーブル。

音場については、同価格帯では狭くも広くもない標準的なもので、Kubala-Sosna Elation! より広く、Shunyata AnacondaシリーズやNORDOST VALHALLAに比べて狭い、といったところ。また、音像は明瞭で実体感も強いが、これはS/N感の良さに助けられている部分も大きく、Elation! や初代BLのようなゴリ押しタイプとは異なる。

音色は、やや微寒色。銀素材を導体としており、温度感は確かに銀のそれなのだが、意外なことに像の音線(輪郭)が明瞭であり、音像の実体感も銀線とは思えないほど強い。私見だが、相当な物量を投入していると思われる。

[主な特徴]

1.独特のノイズ対策

Hologramの最大の特徴は、何と言ってもアクティブシールドを用いた独特のノイズ対策であろう。技術者ではないので詳細は分からないが、聴いた感じではBMI OCEANIC STATEMENTやNBS BLACK LABEL IIなどといったスーパーハイエンドケーブル並みのS/N感の良さを誇っている。また、このノイズ対策の秀逸さが、Hologramのキャラクターである澄み切った空間、明瞭で透明度の高い音像の表現を支えていることから、S/N感のよさはHologramの音作りにとって極めて重要な要素であり、基盤ともいえるのではないかと思う。

2.音線が明瞭で透明度の高い音像

Hologramの音像は、Elation! や初代BLのそれと異なり、強烈な実体感や陰影感を備えているわけではない。だが、その輪郭は音像系トップエンドのそれに劣らないレベルで明瞭であり、また、透明度については業界でもトップレベルのクオリティを維持していると感じる。誤解を覚悟で喩えるなら、大粒のクリスタルを彷彿させる音像である。尚、上でも述べたように、この音像を表現する過程で非常に大きな要素となっているのが、持ち前の優れたS/N感だと思われる。

3.帯域バランスの良さ

このケーブルを数ヶ月使った後に改めて実感したのが、Hologramの帯域バランスの良さである。レンジそれ自体はそこまで広くないと感じるが、厚み・硬度・キレを鼎立した高域、重み・実体感・スピード感をうまい具合に保った低域、そして明瞭さと透明度を前面に押し出した中域が三者三様に良さを出し、バランスを取り合っている印象を受ける。これは、一聴してというよりも使っているうちにじわじわと感じたことなのだが、そういう意味では入れやすく外しにくいケーブル、ということになるかもしれない。

[ポジショニング]

総じてバランスが良く使いやすい機種であり、またHologram AとDという形で、アナログとデジタルに対応するよう微調整してヴァリエーションを分けているため、Hologramブランドとしての各ポジションへの対応力は高い。ただ、AとDでは比較的はっきり異なっているところがあるため、Aをデジタルに、あるいはDをアナログに、というような転用は若干難しい感がある(STEALTH DREAMなどの場合は比較的容易)。

 個人的には、どちらかというとAの方がHologramシリーズのキャラクターを活かせているように思うが、上流でバランスを崩したくないという方にとってはDもまた、優れた選択肢になるように思う。