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★概要

Shunyata Research King Cobra CX(シュンヤッタリサーチ・キングコブラCX)は、アメリカのShunyata Research社の製造していた電源ケーブルであり、同社の元フラッグシップである。現行フラッグシップであるAnacondaΞTRONが基本性能面でこのKing Cobra CXに劣ることを考慮するならば、King Cobra CXこそがShunyata歴代でも最高のケーブルであると言えるかもしれない(現在は、名実共に後続であるΞTRON SIGMA電源ケーブルが販売されている模様)。

軽やかでソフトなAnacondaブランドとは異なり、重厚で実体感も強めの音作りが特徴的である。これは、CXシリーズのみならず初代King Cobraやその系譜についても言えることである。そのため、Shunyataらしくないと感じられる方もいると思われるが、それとは別に、電源ケーブルとしての完成度は非常に高いと感じられる逸品である。

[価格]

MSRP:3,500USD

[Specification]

FEATURES

– Shunyata SR-ZP AC & IEC connectors

– CDA-101 cryogenic copper conductors

– Unrivaled Shunyata Research Craftsmanship

CONSTRUCTION

– Dual counter-rotating HELIX Geometry

– 600 individual conductors

MAINS CONNECTORS

– US 5-15P

– Schuko (EURO)

– Swiss

– Aussie

– Call for others

[参考サイト]

http://www.shunyata.com/content/products-CX.KingCobra.html

[外見・取り回し]

黒くてきめの細かい被覆で覆われた線体と、無メッキプラグを赤地のビニールでカバーした両端部が外見的特徴だが、これはAnacondaシリーズの電源ケーブルと殆ど同じである。

異なっているのは重量であり、King Cobraシリーズの電源ケーブルはAnacondaシリーズの数段重い。喩えるなら、AnacondaシリーズはSTEALTH DREAM的重量の、King CobraシリーズはNBS BLACK LABEL的重量のケーブルであると感じる(若干大げさな比喩かもしれないが)。主に密度の問題だろうか、King Cobra CXはAnacondaシリーズよりも若干取り回しにくい。ただ、捻りについては重量・密度関係なしにやりづらく、このあたりは似たような外見のSTEALTH DREAMやBMIの各種ケーブルより扱いづらい。

★音質レビュー

[タイプ]

ニュートラル型・暖色系のケーブルで、非常に高い温度感が特徴的。特に高域は、赤熱して触れれば火傷を負いそうな印象すらある。ヴォーカルは生命感に溢れ、打楽器の弾け具合も心地良い。低域は厚みがあり、ドラムやベースは重厚感がある。似たような音色のケーブルとしてAural Symphonics Magic Gem v2tがあるが、基本性能・バランスの良さ共にこちらが遥かに上である。

また音場は、暖色系にありがちな音像が張り出し左右は広いというタイプではなく、むしろ前後の広がりや前方定位を丁寧に描いているタイプ。音場が全方位に均等に広がっている印象が強く、バランスの良さを感じる。また、各音像の配置は立体的・重層的で、定位感もかなり良い。

総じて、主張については音像表現の中で行っていると感じられ、それを支えているのが前述したそつなく完成度の高い音場表現だと思われる。

 

[基本性能]

基本性能総合: ハイエンド上級

解像感:4

情報量:4

S/N感:5

情報コントロール力:4.5

周波数レンジ感:4.5

帯域バランス:4.5

汎用性:5

音の分離感:4.5

(評価:MAX>5>4.5>4>…>1)

どちらかというと、下にあるような各要素ではなく、音楽的なまとまりのよさと格調の高さが魅力的なケーブルだと思うので、基本性能面に関してはハイエンド上級として位置づけた。

BMI Hammerhead Gold Mk.5などと同様、音場表現と音像表現を高次元で両立したケーブルで、あちらは音場表現、こちらは音像表現についてより得意とする。また、性能面でも、Shunyataが得意とするS/N感についてはスーパーハイエンド並の実力を備えており、トータルで考えれば下手なスーパーハイエンド以上に隙がなく完成度の高い音を出す。はっきり言って、力の入れ所が本サイトでいう基本性能の項目と食い違っているだけであり、スーパーハイエンドと評しても悪くないほどに格の高いケーブル。

[主な特徴]

  1. 完成度の高さ

最大の特徴ではあるが、これに関しては既に散々述べたので、ここでは割愛する。

2.艶とうるおいがあり、響き豊かな音色

King Cobra CXの音色については既に述べたが、その高い温度感に並ぶ特徴が、艶・うるおい・響きである。

まず艶についてだが、これは巷で言われるShunyataの個性であり、Anacondaシリーズなどからも感じられる。言葉で説明するのは難しいのだが、エッジが尖らず耳当たりが良い印象を受けた。

次に、うるおい。これも上述の艶やかさと似たような話ではあるが、JORMA DESGINのケーブルなどから感じられるようなある種のみずみずしさとは異なった、もっと落ち着きのあるうるおい豊かさが感じられた。

そして、響き。このKing Cobra CXの響き豊かさは、一聴して分かるレベルにあると感じた。言い換えるなら音の消え際が速やかでないということでもあるのだが、この艷が乗った美しい響きは捨てがたい。こればかりは言葉で説明するのが難しいので、ぜひ一度聴いてみていただきたい。

  1. 重厚で安定感のある低域

King Cobra CXはピラミッド型のケーブルであり、その低域は厚みと重みを兼ね備える。その能力は、一聴した段階では主に解像感やスピード感についてBMI OCEANIC STATEMENTやNBS BLACK LABEL IIなどに劣るとは感じるが、小賢しい技巧や嫌味のなさについては、King Cobra CXが上である。この非常に素直で信頼のおける低域は飽きにくく、非常に長く付き合えそうな気がする。非常によく似た低域を奏でるケーブルとしてTRANSPARENT PLMM2Xがあるが、実体感はこちらの方が強く、厚みはあちらの方があると感じる。

[ポジショニング]

基本性能・バランスの良さ・ノイズ対策の三拍子が高次元で鼎立されているため、これといって避けるべきポジションは無いと思うが、強いて言うならばトランスポート以外のポジションに使うべきであろう。解像感とレンジについては、BMI Hammerhead Gold Mk.5の方が優れているため、くまなく情報を拾おうとすればそちらを導入した方が良いと思うからだ。

逆に、パワーアンプでの使用においては、上の三拍子を如何なく発揮し、非常に上手い形でシステムのレベルを上げてくれるだろう。

 また、壁に使うのも性能的には全く問題ないが、その場合は2.で述べたような豊かな音楽性は若干なりを潜めるだろう。