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★概要

 Nordost Odin Shupreme Reference Power Cable(ノードスト・オーディン)は、アメリカ合衆国のNORDOSTが製造・販売している電源ケーブルであり、同社のフラッグシップモデルである。160万円/1.25m240万円/2.5mという価格は、他のスーパーハイエンドとすら隔絶しているが(本国価格も似たようなもの)単体の電源ケーブルとして最高レベルの実力であることは間違いない。お世辞にもコストパフォーマンスは良くないが、部屋・機器共に最高レベルのものを所有されている方ならば、その恩恵を十二分に享受し得るといえるだろう。

[価格]

国内参考価格:1,600,000(1.25m、税別。出典:エレクトリ)

[Specification]

Insulation: High purity class 1.003 Fluorinated Ethylene Propylene (FEP)

Construction: Total Signal Control (TSC) and Precision Dual Micro Mono-Filament design

Conductors: 7 x 15 AWG solid core conductors

Material: 80 microns of silver over 99.999999 OFC

Capacitance: 19.0pF/ft

Connectors: IEC/Wall plug US/UK/EUR

Power Rating: 60 Amp

Propagation: 86% the speed of light

Overll Shield Coverage: 100% Total Coverage

[参考サイト]

メーカー公式サイト

正規代理店・エレクトリのページ

[外見・取り回し]

  基本的にはODIN XLRと同じような構成で、ホワイトの線体に木箱が装着されているが、プラグがオリジナルではなく他社製(FURUTECHFI50/50M)である点は異なっている。VALHALLA ACとの比較で言うなら、ODINの方がより太く、カラフルでない。また、木箱はODIN特有のもので、VALHALLA以下のラインには装着されていない。

 取り回しは悪くない。ライバル的な存在のSTAGE III KRAKENZenSati Cherubよりも楽に取り回せるし、国産であればESOTERIC7N-PC9500や、さらに下のアコリバPOWER MAX IIIなどよりも良い。ただし、1.25mの個体に関しては、長さ不足に陥らないよう、機器やコンセントの配置を工夫する必要があるだろう。

 余談だが、最近になってOdinと外見のよく似たケーブルが複数、それも100万円オーバーのクラスで登場している。たとえば、ZenSati Cherub(写真)やCrystal Cable Absolute Dream(写真)などがそれである。管理人的には全く無関係だとは思っていないし、Nordostというブランドの影響力が顕在化したものなのではないかと考えている。

★ファーストインプレッション

[概要・タイプ]

 音場型・微寒色系のケーブル。XLRのレビューでも触れたが、ODINのサウンドは現存する銀・銅線の中で最も上質なものと言って差し支えなかろう。一般に銀・銅線が得意とするスピード感・リズム感の再現や繊細な描写について、ODINほどの次元でやってのけるケーブルは知らない。素材的にも構造的にも価格的にも近いライバルとしてZenSati Cherubがあるが、全体的なクオリティはODINが1ランク上である。

 同時に、銀・銅線のネガティブ要素である音色・温度感の欠落についても、極めて高次元で克服しており、特に音色についてはスーパーハイエンドの銅線の多く(トラペPLMM2XZenSati Angelなど)を凌駕する程にはカラフルで、各楽器に固有の色を十分に再現してくれる(但し、アレグロZenSati Seraphimには劣る模様)。下位のモデルと比べると、その差は更に顕著になる。エネルギッシュで押しが強いことで知られる7N-PC9500のサウンドが、出涸らした茶のように感じられた時は驚いた。

 ODINのサウンドステージは、広大かつ緻密である。広さと情報量だけであればZenSati Cherubの方が上かもしれないが、S/N感、音の分離、音線の明瞭さ、音像の重さ・立体感などを加味した完成度については、ODINCherubを凌ぐ。KRAKENのサウンドステージと比べると、前後感では劣るが、音の分離感について互角である他、スピード感とサウンドステージの広がりで凌ぎ、特に左右のステージ展開については圧倒的な実力を見せつける。

 以下の文章は、ODIN XLRをレビューした際に私が強く感じたことを綴ったものであり、電源ケーブルにおいても同様のことを感じたので、ここに引用している。以下、引用。

 ODINの音を聴いて「必要十分」というフレーズを思い浮かべるのは、筆者だけではないだろう。海外のハイエンドにありがちな飾り気や面白味は感じないが、かといって何の不満もない(強いていえば聴感S/N)。弟分のVALHALLA以上にストイックで無駄のないケーブルだが、同時にVALHALLAと比べてストイックさをひけらかさない。「必要な要素を満たし、不要な要素を排す」を地で行く「必要十分」へのこだわりは、TRANSPARENTOPUSからも感じたものだが、ODINの方が更に徹底している。ケーブルに華やかな演出を求める方にはお勧めできないが、そうでない全ての方には、一度お聴きになることを強くお勧めする。以上、引用。

 

[基本性能]

 現時点ではまだまだ聴き込みが十分でないと判断しているため、性能に関するスコアリングは割愛する。但し、全ての要素についてトップレベルの性能を感じさせ、これといった不満が見当たらず、複数を導入しても偏るばかりかますますハイバランスなサウンドを聴かせるケーブルである点は強調しておきたい。

 

[ポジショニング]

 KRAKENに代表される他のスーパーハイエンドと同様、ポジションを問わずハイレベルな実力を発揮するが、個人的にはパワーアンプ以外のポジション(特にデジタル関連)を推す。ファーストインプレ執筆時点での大雑把な感想だが、ODINはデジタルでの使用を念頭に置くならば、ケーブルスパイラルの終着点に位置している。

 これは、ODINがパワーアンプの駆動に向かないというより、パワーアンプでの使用に特化したようなケーブルが複数存在し、そちらの方がコスパに優れるという意味(KRAKENFlow Master ReferenceBLACK LABEL IIIなど)。よって、好み次第ではODINをパワーに挿す価値は勿論ある。

 

[比較対象]

NORDOST, VALHALLA POWER(弟分)

ZenSati, Cherub(ライバル)

STAGE III CONCEPTS, A.S.P. KRAKEN(ライバル)

JORMA DESIGN, PRIME POWER(格下のライバル)

BMI OCEANIC STATEMENT(格下のライバル)

STEALTH DREAM V.10(格下)