ここからは、個別のケーブルについて見て行こう(HI END 2015の概要はこちらで説明しています)。

何と言っても、今回のショーで最もホットだったのは、NORDOSTの新フラッグシップ・ODIN 2のお披露目であろう(ケーブルネタの中で、です)。NORDOST側が、なんと初代ODINを当て馬にするという極めて強気の態度で発表に望んでいた点が、デモンストレーションに切れ味を付加していたように思われる。

そんなわけで、本レビューはODIN 2の試聴レポでありながら、その内容は実質的にODIN 2と初代ODINの比較レポとなっている(SPや機器類に関する理解はないが、2つのケーブルを聴き比べるだけならば十分であった)。あくまで、他社のケーブルとの比較を念頭に置いているわけではない点は、予めご理解いただければ幸いだ。

余談だが、5/4に筆者がVALHALLA 2の試聴レビューにて「ODINの後続機種の出現」もしくは「VALHALLA 2のディスコン」を予測してから1週間と経たない5/8に、ODIN 2が発表された(もしかするとその前だったのやも知れないが、VALHALLA 2レビュー時点では筆者は全く知らなかった)。今回ばかりは、少しは物が分かってきたのではないかと、自分自身を褒めたくなった筆者・ロメオである(苦笑)

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[ODIN 2 vs. 初代ODIN]

ODIN 2と初代ODINの最大の違いは、なんといってもその温度感である(ODIN 2の方が明らかに暖かい)。当方が最初に聴いた際は、初代ODINとODIN 2のスピーカーケーブルを比較していたが、この点は一聴して理解できた。主観だが、初代VALHALLAと初代ODINくらいには違う。ZenSati Seraphimのような生粋の暖色系と比べるとまだまだクールなのやもしれないが、少なくとも過去のNORDOSTの何れのラインと比べても暖色寄りなのではなかろうが。

 

少し話が逸れるが、CableFanでは初代ODINについて「微寒色系」と評価し、ニュートラルのTRANSPARENT OPUSと比べて多少なりともクールなケーブルとして評価してきた。もっとも、このクールなテイストはNORDOSTの全ラインに共通するテイストでもあり、上位モデルになればなるほどニュートラルに寄せていることから、NORDOSTとしても、寒色に寄っているとの自覚と問題意識はあったようだ。話を戻すが、この観点からするならばODIN 2は初代ODINの正常進化と言えるだろう。

対して、ステージの広がりについては、初代ODINと差を感じなかった。筆者も初代ODINのバランスケーブルと電源ケーブルを所有し、そのステージが最高クラスの広がりとバランスを兼ね備えていると感じているし、NORDOSTもその点については満足しているようである。それにしても、初代ODINのステージ展開を維持しながら、一聴して分かるほどに音の生々しさ・訴求力を高めてくるとは、NORDOSTの開発陣は相当に優秀なようである。以前から触れている話だが、経験上、音の温度感とサウンドステージの広がりは反比例するし、両立は難しい要素だと考えられる。たとえば、かつて音場型の雄として名を馳せたStealth IndraとNordost 初代Valhallaは、いずれも温度感の低いケーブルである。或いは、Stage iii Gryphonもその系統やも知れない。尚、Stealthは後に音に温度感と力感を付加した新モデルのSakraを発表したが、サウンドステージの奥行きについてはIndraの水準を維持できなかったことからIndraをディスコンにできず、結果としてIndraとSakraの2本立てでブランドを展開することになった。トラペOPUSとZenSati Seraphimは稀有な例外だと思っていたが、ODIN 2をもってNORDOSTもこの領域に入りつつあるようだ。

今後このケーブルのライバルとなりそうな機種は、トラペOPUSそしてZenSati Silenzioあたりだと予想している。OPUSについてはMM1そしてMM2までは入手済みの機種であり、実際に初代ODINとも聴き比べているので、両者が競い合う姿は想像に難くない。一方で、Silenzioについてはまだその全容は未知数だが、Seraphimに比べてシールドを大幅に強化してきているらしいのと(というかSeraphimのシールドはあって無いに等しい)、ODINブランドが軸足を暖色寄りに移してきたことから、ODIN 2と喰い合うポジションに立つ可能性はあるだろう。

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