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★概要

BMI Hammerhead Gold Mk.5(ハンマーヘッド・ゴールド・マーク5)は、アメリカのBMI CABLES, Inc.が製造する電源ケーブルである。BMI4兄弟の次兄にあたる存在で、同格に位置づけられるHammerhead Silver Mk.5とは、双子ともいうべき関係にある。このMk.5は初代から数えて5代目にあたり、初代Hammerhead Goldから様々な改良を経て誕生したモデルである。

巷では基本性能と使いやすさを兼ね備えたモデルとして人気があり、アレグロやNBS BLACK LABEL IIなどといった格の高いケーブルと比べられることが多い。BMIのフラッグシップはより格上のBMI OCEANIC STATEMENTなのだが、このHammerhead Gold Mk.5もケーブル界トップクラスのケーブルの1つであり、BMI社の格の高さが伺える。

[価格]

**MSRP: $5500 (Standard 6-ft. length)

**Any Custom Length is Available – Upcharge $700 per ft.

**20A-IEC Available – Upcharge $100.

**90 Degree IEC is available – Upcharge $50.

[Specification]

Handmade & twisted

Proprietary Hybrid Custom Platinum, Silver & Copper blend

1.7″ in diameter – user friendly design

18 individual conductors. 9awg

Wattgate 330i 24K male plug

Wattgate 350i 24K female iec

Made & Designed in USA

100% top grade parts from USA

Custom BMI Cable Proprietary Design

Cryogenically Treated individual Conductors

Cryogenically Treated Wattgate Connectors

Lifetime Warranty to Original Owner

Warranty is Non-Transferable

[参考サイト]

http://bmicable.com/hammerhead_gold_mk5

[外見・取り回し]

STEALTHのDREAMやAural SymphonicsのMagic Gem v2tなどと同じく、太くて軽いケーブルである。このキャラクターは全てのBMIケーブルに共通する。また、比較的捻りやすい。したがって、非常に取り回しやすく、使いにくさを感じることは少ないと思われる。良心的な設計だと感じる。

★音質レビュー

[概要・タイプ]

バランス型~音場型・微暖色系。ニュートラルよりも若干暖色寄りの温度感でありながら、同時に音場表現も得意とする珍しい機種。多くの場合において、温度感の高いケーブルは音場の広さ・構成よりも音像の生命感や迫力を重視しているが、このHammerhead Gold Mk.5(以下、HG5)は高い音像表現力を誇りながら、同時に音場の広さや音像の定位感にも長けているように感じられる。

[基本性能]

基本性能総合: ハイエンド上級

解像感:5

情報量:5

S/N感:4

情報コントロール力:3.5

周波数レンジ感:5

帯域バランス:5

汎用性:5

音の分離感:4

(評価:MAX>5>4.5>4>…>1)

BMI社のフラッグシップではないにも関わらず、他社の下手なフラッグシップモデルよりも高性能なケーブル。2014/3迄、スーパーハイエンドとして評価していたが、ここにきてZenSati Cherub・AngelやSTAGE III TRITONといった新型を相次いで聴いた結果、ハイエンド上級に改めた。現状、このHammerhead Gold Mk.5とNBS BLACK LABEL IIを、ハイエンド上級とスーパーハイエンドを分つ壁として認識している。

聴感S/Nさえ良ければ確実にスーパーハイエンドに分類可能。情報量もさることながら、周波数レンジの広がりとバランスの良さが秀逸。アレグロ並みに下まで伸び、JORMA PRIME並みにフラット。

S/N感と情報コントロール力については、きちんと体感した上で購入を検討すべき。各音は艶やかで、裏を返せば刺激感を排しており、見方に寄ってはダイナミックレンジ感と歪み感について劣ると言えなくもない(実測値は不明だが)。

[主な特徴]

1.軽やか・なめらかな質感の音像

上述したように、HG5が他の暖色系ケーブルと異なる点は、音像それ自体のもつ実体感や精度ではなく、音像の集合としての音場全体の完成度の高さで勝負している点だろう。そのため、HG5が紡ぎ出す個々の音像は、いわゆる音像型のそれと比べて実体感は弱い。ここで秀逸だと感じる点は、HG5では音像の刺激感を小さくするという方法で実体感を弱めている点だと感じる。実体感の弱いケーブルの多くは、音像の厚みや陰陽コントラスト、あるいは解像感について劣ると感じてきたが、このHG5はそれらの要素を(巧妙に)高水準に保ちつつ、同時に各音像が必要以上の実体感を示すことをも防いでいるように感じる。正確には、コントラストについては若干削られているようだが、目に見えた弊害が生じるほどではないと感じる。また、この軽やかさ(からくる物足りなさ)については賛否があるだろうが、重厚なケーブル(※)よりも反応速度に優れる点を考慮すれば、欠点ではなく個性として考えることもできるだろう。

話を戻すが、HG5の音像は高い性能・音楽性を備えながら、同時に音場全体の構成においても一役買っていると感じられる。その意味で、この優秀さはなかなかなものだろう。

※Shunyata Research King Cobra CXやPurist Audio Design Canorusなど

2.奥行きのある音場と前方定位のよさ

HG5に限らず、BMIケーブル全般に言えることだが、音場の奥行きがあり、音像の配置も奥に対して重層的だと感じられる。前の音は前で、後ろの音は後ろで、鳴っている。これらは、捉え方によってはステージが狭く感じられる原因にもなる要素だが、少なくとも筆者は「近くの音が近くで鳴り、遠くの音は遠くで鳴る」というのはオーディオケーブルとして正道だと考えているため、プラスの要素として評価している。

3. 艷を含む独特の音色

HG5の導体は、プラチナ、コッパーそしてシルバーのブレンドである。微暖色の温度感から考えるにコッパーベースなのはほぼ間違いないように思えるが、ギラつきや粒子感よりも艶やかさとなめらかさが前面に出ていることから、シルバーよりもプラチナの支配力が強いようだ。この艶やかさと温かみを兼ね備えた独特の音色は、HG5の個性であり、他社のケーブルからは無論、同社のOCEANIC STATEMENTやHammerhead Silver Mk.5からも感じたことはない。おそらく、BMI社だけが知る導体の絶妙な配合加減によるものだと思われる。

[ポジショニング]

欠点がないわけではないHG5だが、1本の電源ケーブルとしての完成度の高さはケーブル界でも上位である。第一に音場と音像の高次元における両立があり、第二に帯域バランスの良さがある。ほのかな艶やかさと刺激感の小ささが個性といえば個性ではあるが、例えばNBSのBLACK LABELシリーズやPurist Audio DesignのCanorusなどと比べると、遥かに癖は小さいと言えるだろう。そのため、(艶付けを除くなら)アンプ類に用いての積極的な色付けには向かない(ちなみに、個性的なケーブルからHG5に変えることで変化を楽しむことは可能)。ただ、性能的にはどこに入れても問題なく鳴らしてくれるので、音場の形を崩さずシステムをグレードアップしたい方には、大きな問題なく勧められる。