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★概要

A.S.P. REFERENCE TRITON(リファレンス・トリトン)は、アメリカ合衆国のSTAGE III CONCEPTSが製造している電源ケーブルである。KRAKENで得られたノウハウをふんだんに盛り込んでおるらしく、基本性能・使い勝手共に相当なものがある。主観ながら、アレグロ電源ケーブルとは良きライバル関係にある。尚、定価のみを見た場合のコスパは悪いが、実際は24%のディスカウントがつくことから、PRIME POWERなどと大差ない額で導入可能。

[価格]

M.S.R.P.:8,200USD(2.0m)

Over $6,000 = 24% discount

[Specification]

A.S.P. TRITON POWER CORD power cables employ 4 large-gauge Cryo-treated, custom slow-extruded silver/palladium AeroStrand Ultra™ ribbon conductors. Air dielectric with FEP Teflon air-tubes.

H.D.A. 100% radiation invulnerable foil. Each conductor + 2 plated silver ground wires individually shielded with silver plated braid. Multi-layer construction with silica/ceramic/ferrite mechanical damping/shielding layer.

Custom handmade polymer-filled, carbon fiber plug housings help eliminate external vibrations. Exclusive Hyperion Ceramic plugs with Silver/Copper alloy electrical contacts, Palladium plated and Cryo-treated (custom made by Stage III Concepts).

[外見・取り回し]

KRAKENGRYPHONなどと同じく、カーボンプラグと漆黒の被覆が印象的なケーブル。黒光りとでも言うべき外見で、FMRCherubとは違う意味で美しい。

一般的にはかなりの巨体であるが、KRAKENに比べると取り回しは容易である。捻りに少し苦労する場面もあるが、全体的に頑強なケーブルであるため、思い切って扱える点も好印象である。

★音質レビュー

[概要・タイプ]

ニュートラル型・微寒色系のケーブル。ステージは左右より前後に広く、奥行き感はKRAKENとほぼ同等。

3次元的なステージ展開の魅力に関しては、BMI OCEANIC STATEMENTと覇を争う。絶対的な広がりに関してはOCEANIC STATEMENTが広いが、TRITONの聴感S/N前後・左右を問わず一音一音を徹底的に分離し、各音の前後感を明瞭にする。よって、いずれの効能がより顕著かは、システムに依存する。尚、同様に3DステージのJorma Prime Powerとの比較では、ステージの開放感はPrimeが良いが、前後感の徹底についてはTRITONが良い。

温度感は、ニュートラルよりも若干、寒に寄る。おそらく、導体に銀素材が用いられているためだろう。聴感S/Nの良さもあいまって、高音域のクリアネスは凄まじい(尖ってはいない)。逆に、中〜低音域の温度感はFMRに代表される純銀線ほどあっさりはしておらず、潤い・温度感共に豊かである。このあたりは白金属であるパラジウムの効能と思われる(同様に白金属であるプラチナ線を用いたOCEANICと照らし合わせての感想)

尚、上位のKRAKENとの最大の差は、主に左右のステージ展開と低音域の強さ。KRAKENTRITONばりの奥行きに加え、左右もOCEANICばりに出してくる(上下・左右が狭い分、結果として前後感自体はTRITONの方が出ている)。ちなみにこの関係は、NBS初代BLACK LABEL(この場合TRITON)BLACK LABEL II(この場合KRAKEN)の関係に類似している。

[基本性能]

基本性能総合:スーパーハイエンド

解像感:5

情報量:4.5

聴感S/NMAX

情報コントロール力:MAX

周波数レンジ感:5

帯域バランス:5

汎用性:5

音の分離感:MAX

(評価MAX>5>4.5>4>…>1)

KRAKENのほど途轍もないケーブルではないが、バランスよく高性能であり、完成度の高いスーパーハイエンドケーブル。一聴してのインパクトは強くないが、使い込むことによって地力の強さを体感できるタイプ

上述した通り、アレグロ電源ケーブルの強力なライバルといえるだろう。上で初代BLに喩えたが、基本性能はBL IIを凌ぎ、アレグロと互角。数値の上ではややアレグロより高評価としているが、ケーブルとしての格に差はない。

KRAKENGRYPHON(XLR)同様、ローノイズからくる中〜高音域の解像感(精度)を背景とし、優れた音像定位とステージ展開(音の分離を含む)を実現する。特にノイズ対策力は高く、(実値は不明だが)聴感上はKRAKENPLMM2XPRIMEの3強にも劣らない。

一音一音の解像感は優れるが、音の量感自体はさほどでもない。主に、Cherub7N-PC9500のようにシャワー状に音粒子をばら撒かないのと、KRAKENArgento FMR等の最高峰と比べて低音域の解像感が甘いせいだろう。

逆に、情報量に対する情報コントロール力(音像の精緻さ、音の分離、ステージの3次元定位、等)は際立っており、世界でも屈指の水準にある。以前であれば、このクラスの能力を実現するためには、導体を切って何かしらの装置を仕込まなければならなかった(JORMA PRIMEが代表例)だろうし、その副作用が犠牲にするものは小さくない。その意味で、A.S.P.シリーズは新たな時代を作りつつあると言える。

[ポジショニング]

プリアンプもしくはパワーアンプでの使用をお勧めする。プリではその空間表現力が、パワーでは馬力感が、それぞれ発揮される

逆に、デジタル系などに使用する場合は、完成度の高い機器よりも、荒削りだが洪水の如き情報量を備えた機器と組み合わせた方がよい。音を整理し、コントロールしてくれるだろう。只でさえ完成度に優れる機器に、更に完成度を高めるケーブルを組み合わせるメリットは薄い。

[主な比較対象]

STAGE III CONCEPTS, A.S.P. KRAKEN(兄貴分)

Allegro Power Cable(ライバル)

BMI, OCEANIC STATEMENT(ライバル)

Jorma Design, Prime Power(ライバル)

Argento Audio, Flow Master Reference