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DREAM V.10 for PRE AMP

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DREAM V.10 for DIGITAL

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DREAM V.10 for POWER AMP

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DREAM V.10 for WALL

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★概要

STEALTH DREAM(ステルス・ドリーム)は、アメリカのSTEALTH audio cables社の製造する電源ケーブルであり、同社のフラッグシップモデルである。現行モデルは、3代目のV.12(レビューは、2代目のV.10のもの)。

音・外見共に非常に特徴的なケーブルであり、一度見たり聴いたりすればそうそう忘れられるものではないため、日本国内ではNORDOST VALHALLAやNBS BLACK LABELなどと共に海外ハイエンドケーブルの代表的存在として広く認知されている。また、ポジション毎にヴァージョンが分かれていることでも有名で、現在はPREAMP、POWER、DIGITALそしてWALLの4仕様が製造されている。

[価格]

Pricing (V.10):3,000USD(1.2m), 3,200USD(1.5m)

[Specification]

Dream V10 Preamp (black with blue stripes) – for preamplifiers

Dream V10 Digital (black with gold stripes) – for digital gear (CD players and transports, digital processors and AD and DA converters, digital and class-D power amplifiers)

Dream V10 Power (black with FIVE silver stripes) – for analog power amplifiers, turntable motors

Dream V10 Wall (black with TWO silver stripes) – for AC power conditioners and AC power strips

[参考サイト]

http://www.stealthaudiocables.com/products/Dream/dream_V10_ac.htm

[外見・取り回し]

特製のカーボンプラグとカラフルなチューブを組み合わせた外見は、極めて特徴的で唯一無二。詳しくは写真をご覧あれ。

強烈な外見の割に、持ってみると軽くて取り回しは容易。特に、曲げは容易。やや太いため、捻りには苦労するが、トータルとして考えればNORDOST VALHALLA並に取り回しは良いのではないかと感じる。

★音質レビュー

[概要・タイプ]

超がつくほどの音場型・寒色系。実際のタイプや温度感もさることならが、その方向性に徹しようという演出の完成度に驚かされる。

多くの方から広いと評価されるSTEALTH DREAMの音場だが、広さもさることながら、聴者と音像との距離感が大きい。これは広さプラス、聴者に音場を俯瞰させるようなステージ展開によるものだろう。また、個々の音は、クールで煌びやかな粒子感で音場全体を満たす方向で働いており、重さや実体感・音線の明瞭さは後退する。誤解を覚悟で分かりやすい喩えをするなら、プラネタリウムのような印象を受ける音場と音像ではなかろうか。なんというか、NBS BLACK LABELやアレグロとは対局をなす音作りのケーブルだと感じる。

[基本性能]

基本性能総合: ハイエンド上級

解像感:5

情報量:MAX

S/N感:4.5

情報コントロール力:3

周波数レンジ感:4.5

帯域バランス:4.5

汎用性:2.5

音の分離感 2

(評価:MAX>5>4.5>4>…>1)

巷での評判通り、主に情報量と音場の広さについて高い実力を誇るケーブルであり、基本性能的にもハイエンド上級クラスに分類できると感じる。とりあえず、情報量は同クラスでは図抜けており、ZenSati Cherub以外に明確に劣る印象はない。また、音場型・寒色系にありがちな低域の弱さも克服しており、周波数レンジと特に帯域バランスはなかなか良い。総合力では、NORDOST VALHALLAを凌ぐだろう。

ただ、良くも悪くもアメリカ製らしく癖の強いケーブルで、使える局面も限られることから、汎用性はあまり高くない。ちなみに、ポジション毎にヴァリエーションがあるが、実際のところあまり大きな違いは感じない。その意味で汎用性はあるが、あまり褒められた商法ではないとも感じる。尚、音の分離感については後述する。

[主な特徴]

1.広大な音場

STEALTH DREAMの音場は、単純な広さだけでも世界最高クラスだと思われる。その広さはNORDOST VALHALLAやTRANSPARENT PLMM2Xを凌ぎ、BMI OCEANIC STATEMENTに匹敵するといえよう。また、これに加えてDREAM特有の「音場を広く聴かせる演出」が加わる。OCEANICとの比較でいうなら、OCEANICの音像は重さ・実体感共に強く動的で、艶っぽい美しさも音像のソリッドさありきなのに対し、DREAMの音像は実体感ひかえめかつ静的で、一音一音が美しい粒子感を伴いながらステージを飾り立てているような印象を受ける。したがって、各音像の凝縮感や躍動感はOCEANICが良いだろうが、一枚の絵画のように描き出される音場の統一感は、STEALTH DREAMの方が良いだろう。

2.豊かな情報量

STEALTH DREAMは、解像感・音の数共にトップクラスの実力を誇る。銀素材の良さが出ていると言えよう。特に、弱音を丁寧に拾うため、全体としての音の数が極めて多い。解像感は、音の数に比べると標準的な範囲だが、銀の特性が出て超低域・超高域までくっきりと描けている。この情報量の豊かさは、BMI Hammerhead Silver Mk.5やElectra Glide Genghis Khanなど、導体に銀・銅を併用したケーブルの多くに共通する特性であり、恐らく銀・銅ハイブリッドのメリットの1つだと考えられる。

3.煌びやかな音像が描き出す音世界

上で、プラネタリウムのような音場だという表現をしたが、その背景となっているのはなんといっても煌びやかな粒子感である。各々の要素については既に上で述べたので、ここではそれらの要素が描き出す独特の音世界について説明してみたい。STEALTH DREAMの音世界は、他のいずれのケーブルのそれとも異なっている。少なくとも我々は、これほどまで徹底的に各音像の分離感を排し、実体感を後退させたケーブルを知らない(純粋にS/N感やステージの広さでDREAMに劣る、下位のCloude 99等は除く)。はっきり言えば、これは音像の生命感や音線(輪郭)の明瞭さを削る危険行為に他ならないわけだが、それでいて商業的に成功しているSTEALTH社の技術力と芸術的感性は驚きだ。ヴォーカル物が一定の地位を築いている昨今の音楽界にあって、肉声の生命感を犠牲にするリスクは高い。事実、ケーブル界には音場型・寒色系と評されるケーブルは多々あり、それらは一体感のある音場とクールな音色を理想として設計されているが、ヴォーカルの生命感を完全に切り捨てられるケーブルはそう多くはないだろう。言い換えるなら、どこかに逃げ道を作りたがっているような気がする。そういう意味でDREAMの成功は、そのリスクから逃げず、断固として理想を追い求めたSTEALTH社の精神性と、それを可能とした高い技術力が結実した結果と言えるかもしれない。

[ポジショニング]

確固たる方向性をもつケーブルであるため、ポジション云々以前に自分のシステムにあったタイプのケーブルか否かを検討する過程に時間とエネルギーを費やすべきだろう。合うならどこに入れてもシステムをレベルアップさせるだろうし、合わなければどこに入れても改悪になると思われる。

 さて、そんな中で強いてアドバイスをするならば、このDREAMは第一にプリ、そして第二にデジタル機器への導入をお勧めする(正直、主観であるが)。基本性能は低くなく、低域もそれなりに強いが、何だかんだ言っても力感より繊細さを前面に出してくるケーブルであるため、プリやデジタル系に入れた方がより強みが生きてくる。強いアンプに入れると、BMI OCEANIC STATEMENTやアレグロのような大電流向けのスーパーハイエンドとの差が顕著になるだろう。いずれにせよきちんと試聴し、自分のシステムにマッチするかを見極める必要はあるだろう。