皆様、こんにちは。オーディオケーブル情報サイト「Cablefan

の管理人を務めますロメオと申します。

こちらのページでは、本サイトの主な観点に関して、4つの項目に絞って説明しております(プラス、システム紹介)。無論、多々ある観点から絞り込んでまとめておりますゆえ、以下が全てではございませんが、それでも常に念頭に置いている4点ですゆえ、本サイトのレビューを閲覧する際の参考にしていただければと思います。

 

1.「実用」の観点

本サイトでは、主に「実用」という観点から各ケーブルをレビューあるいは比較してゆく予定です。というのも、我々は技術者ではありませんし、したがって具体的なスペック値や線体の素材、あるいは構造から具体的な音をイメージすることはできないからです(大まかな傾向くらいは想像できる場合もあるが)。したがって我々の企画では、実際にケーブルを購入、運用し、スピーカーから出る音に注目することによって、そのケーブルの基本性能や音色を調べます。また、常に他のケーブルとの比較を念頭に置きます。

そのため、我々の企画で購入したことのないケーブルについては、原則としてレビューをしておりません(じっくり使い込めないものを理解するのは難しいと判断している)。言い換えるなら、店頭やらイベント、あるいはオフ会でチラっと聴いたものについては、たとえメインではなく比較対象としてでも、原則として言及しません(一部、拝借したものもありますが、その場合は店頭試聴あるいはオフ会試聴と明記します)

 

2.音楽的印象ではなく性能的な要素に焦点をあてる。

本サイトでは、多くのレビューでなされているような、具体的な奏者、演奏、楽器に関する記述を前面に押し出してのレビューは行っておりません。例えば、「○○年発売の××(アーティスト名)の△△というアルバムに収録された□□(曲名)を再生したところ、アーティスト・曲の良さが引き出され、魅力的だ」といったような書き方はとっておりません。また、音色の寒暖や響きの多寡、あるいは粒子感の強弱など、個性に分類できると考える要素については、可能な限りにおいて聴き心地や印象の良し悪しからは書かないよう、心がけています。逆に、ノイズの多寡やレンジの広狭のような、性能面の個別的要素として語れる項目について、より言及するよう心がけています。

主な理由は2点あり、1つは我々にはこのような書き方をできるほどの音楽的な素養・教養がないことです。正直、オーディオ・音楽の両面に深く精通した方の文章というのは、それ自体がある種の芸術的な魅力を帯びたものであり、我々のような電線マニアにはとても真似できるものではないと思っております。はっきり申しまして、我々の教養と経験で音楽的な要素についてあれこれ言及すれば、評価以前の音源のチョイスからして酷いものになるでしょう。

そしてもう1つは、レビューの対象が所詮はケーブルであり、組み合わせるスピーカーやメカによって、芸術的・音楽的印象はいくらでも変わると考えていることです。実際のところ、音楽的な魅力や印象について語るならば、主役はルーム、スピーカーあるいはアンプであり、ケーブルはあくまでサポート役の域を出ないと考えています。S/N比やレンジといった個別的要素の微妙な変化についてはともかく、システムが一体となって描き出す音楽そのものの印象や出来栄えについて、その功罪をケーブルに帰すのはかなり危険ではないかと考えているのです。

以上のような理由から、我々のレビューは芸術的センスに乏しくつまらないものとなっているかと思いますが、それでもお読み下さる方がいてくれれば、これに勝る喜びはありません。

 

3.比較の重視

本サイトでは常に、比較を重視します。例えば、ある電源ケーブルAは低域が強い、などと評価した場合、それは必ず他のケーブル(付属ケーブルにせよその他のケーブルにせよ)との比較を行った上で出されている結論だと考えているためです。以下に少々、具体的な例を挙げましょう。

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今ここに、STEALTH DREAMNORDOST VALHALLANBS BLACK LABELという3本のケーブルがあり、これらの音場の広さを比べるとする。本サイトではこれについて

DREAM>VALHALLA>>BLACK LABEL

という結論を下しているが、それを踏まえてVALHALLAをレビューする場合、

VALHALLAは音場が大幅に広い。(BLACK LABELと比べて)

VALHALLAは音場がやや狭い。(DREAMと比べて)

という2通りの評価が可能である。つまり、1本のケーブルに対する評価は、何を比較対象とするかによっていくらでも変わる。

 

さて、世の中の多くのレビュー(本サイトの単体レビューも含む)では、レビューの対象それ自体への言及は盛んですが、その比較対象への言及は大雑把であるように思われます。しかし、本サイトでは可能な限りにおいて、この「比較対象への言及」を行うようにすることで、情報の価値と説得力を高めてゆきたいと考えています。

余談ですが、以上のような背景から、本サイトにおける情報の価値は 比較レビュー>単体レビュー だとお考え下さい(比較レビューについては、一通り単体レビューを書き上げた後に、文章化する予定)

 

4.スコアリング

本サイトのレビューでは、主に基本性能の各項目に関して、スコアリング(No.1>MAX>5+>5>4.5>4>…>1)を行っています。これは、性能面における各ケーブルの実力を、分かりやすい形で示すための措置です。

しかしながらこれらのスコアは、専用の機器で測定し、それによって得られる客観的なデータをもとに数値化している、という類のものではありません。我々の手法は、異なる2セット以上のケーブルを用意し、実際に繋ぎ換えながら各項目に着目しつつ直接比較を行い、その優劣を判断する、というものです。上で述べているような運用・比較の重視という姿勢を具体的な方法に落とし込んだものだとお考えいただければ幸いですが、これまで電源ケーブルとインターコネクトケーブルについて、俗にハイエンドと呼びうるものだけでも計100セットあまり(本稿執筆時)を繰り返し比較することにより、各ケーブルがどのような性能・個性のケーブルかということについて探ってきました。無論、使用頻度が低い物は手放したりしているため、全てのケーブルを1:1比較したわけではありませんが、特にハイエンド上級〜スーパーハイエンドと位置づけているものについては、年単位での時間を費やし、相当に聴き比べたと自負しております。話を戻しますと、つまりレビュー中にあるようなスコアについては相対評価の域を出ず、例えば情報量が4のケーブルは2のケーブルの倍の音が聞こえるというものではありません。

また、こちらはより重要な話ですが、電源ケーブルとXLRケーブルのスコアは、極端に言えば互いに全く独立しているものです。勿論、上はMAXから下は1までスコア化しているものではありますから、電ケーであれインコネであれ、MAX評価などついていればそれなりに力のあるケーブルだとお考えいただいて差し支えないかと思いますが、あくまでこれらのスコアは、各ケーブルがそれぞれのカテゴリにおいてどのような立ち位置かということを示す以上ではありません。例えば、STEALTHのDREAM V.10 ACがIndra V.10 XLRよりも情報量に関してハイスコアであるから、情報量を増やしたければIndraよりDREAMを買った方が良い、ということではありません。しかしながら、DREAM V.10 ACはNBS BLACK LABEL ACよりも情報量が多い、というスコアではありますから、あくまで同ジャンル内での比較においてのみご活用下さい。

 

5.ケース・バイ・ケースの原則

本サイトのレビューは、あるケーブルの導入がシステムの改善に繋がるか否かは、システム・バイ・システムだという前提に立っています。確かに、我々も基本性能の優劣というものはあると考えており、それについては数値化も試みておりますが、それ以上にケーブルの音色とステージ展開は、費用対効果の大小に決定的な影響を与えると考えています。以下では、STEALTH DREAMを例にとりつつ、このことについて説明しています。

 

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今、システムに不満をもつAさんとBさんがおり、STEALTH DREAMの導入を検討している。Aさんはメタラーで、システムに迫力とキレを付加したいのだが、現在使用しているWire World Gold Electra 5^2がネックになっていると考えている。一方、Bさんはオーケストラが好きで、大編成の音源を楽しむだけの情報量とシステムの一体感が欲しいのだが、どうもNORDOST VALHALLAの音作りに不満がある。尚、DREAMはそのいずれにも基本性能で勝ると思われ、評判も良いことから両者とも期待を寄せているところである。

 

さて、STEALTH DREAMというケーブルは、典型的な音場型・寒色系のケーブルで、音場の広さと情報量は右に出るものが無い反面、音像の迫力や実体感の再現は苦手とするケーブルである。

まずBさんの場合は、情報量はDREAM>VALHALLA、そして音場の一体感もDREAM>VALHALLAであるから、温度感と音の分離の後退さえ覚悟すれば、一応の目的は達成できるため、これはかなりの確立で吉と出ると言ってよかろう。

しかしAさんの場合、基本性能こそ向上されるものの、迫力はGold Electra 5^2>DREAMであり、音のキレについてはせいぜい互角である上、音の生命感や温度感も大幅な後退を余儀なくされるため、Wire World Gold Electra 5^2を外してDREAMを導入することは、かなりの確率で改悪に繋がる。仮に悪くはならないとしても、費用対効果の観点からいって、より高価なDREAMの導入は、適切な判断とならない可能性が高い。

 

以上のように、同じケーブルを導入するにしても、吉と出るか凶と出るかはシステム次第だと言えるでしょう。したがって、あるケーブルαの導入を検討する場合、αそれ自体の性能・方向性のみならず、現在のシステムに対する不満と、ネックになっているケーブルβの性能・方向性をきちんと見極め、更にはβαに交換した場合の効果の大きさを(コストパフォーマンスも含めて)検討すべく、αβをきちんと比較する必要があると考えています。

 

5.環境に関して

本サイトでは、レビューに使用したスピーカーや機材について、その都度こまめに記載することはしておりません。書き始めるときりがなく、レビューが複雑なものになってしまいますし、企画が発足して以来、スピーカーを含む機材の入れ替えやメンバーの新規加入・離脱もありましたから、常に一定の機材を用いて聴込・分析を行っているわけではありません(このあたりのアバウトさは、所詮は趣味ということでご容赦願います)。ましてや、ケーブルの組み合わせ方はほぼ無限です。したがいまして本サイトのレビューは、特定のシステム・機材との相性よりも、むしろ様々な環境・セッティングにおいて確認された変化・傾向に着目する形で、各ケーブルに関して説明しております。言い換えるなら、ピンポイントで具体的な情報よりも、汎用性が高く一般的な情報を優先的に掲載している、ということです。

 

しかし、システムに関して何の説明もないのでは、それこそ情報サイトとしての価値が疑わしいものとなってしまうで、スピーカーシステムを中心に、簡潔に紹介しておきます。

●AVALON DIAMOND

正式名称は「EIDOLON DIAMOND」。日本ではDIAMONDという名称の方がよく通っている感がある。21世紀初頭の発売ながら、現在までAVALONのラインナップに名を連ねる、いわば傑作中の傑作。オーナーが自分でいうのもなんだが、未だにこの価格帯では最高レベルの音質と完成度を誇るスピーカーではないかと思う。尚、当方はSpectralの機器類と組み合わせて使用している。AVALONとSpectralの相性の良さは凄まじく、もはや1セットで考えた方が良いとすら思う(※1)。

800Dが「音」を聴くためのSPであったのに対し、DIAMONDはまさに音楽を聴くためのSP。特に高音域の処理に多大な苦労を強いられた800Dに対し、DIAMONDの高音域は単体で完成されている印象を受けた。もちろん、追い込めば追い込んだだけ良い音を出すのは間違いないが、そこまで苦労をせずとも鳴ってくれるのはよいところ。一方、音像の実体感(特に中音・ヴォーカル)とステージ展開を極めようとすると、それなりの投資が必要になると感じる。基本的に音場の広がりと一体感を優先した音作りで、音像に「掴み取れんばかり」のリアリティを付加しようとすると、ルームとケーブル類についてはかなり追い込む必要がある(但し、Wilson Audioほどではないやも?※2)。

実際、DIAMONDの鳴らし方としては、とことんサウンドステージを広げるか、高次元で音場と音像のバランスをとるか、という2つがあるように思われ、ロメオは後者を選択した。この場合に有効な選択肢は、トラペOPUSやStage iii Gryphonなどである。逆に、サウンドステージを広げたいのなら、ZenSati SeraphimやStealth Sakraの導入を検討するとよいだろう。NORDOST ODINはいわば中間的に両コンセプトの良い所取りをし、更にはスピード感もほぼMAXまで引き上げるが、TransparentやStage iii Conceptsなどで極限までローノイズにこだわった際のような音像の浮かび上がり方はしない。

※1 但し当方は「MITのケーブルも抱き合わせ販売しようとするSpectralの方針」は大嫌いである。別にMITでなければ壊れるとも思わない(実際に故障はしていない)。勿論、MITの躍動的な低域を含めて音作りをするというスタンスは尊重するが、MITでなければ鳴らせないとは思わないし、TRANSPARENT OPUSを筆頭にベターな選択肢は多いと感じている。

※2 ロメオは昔、Wilson Audio Sophiaのオーナーをやっていた。

 

B&W 800D(AVALON DIAMONDに乗り換えました)

本サイトの管理人・ロメオ所有(元)。言わずと知れた有名SPだと思うので、改まっての紹介は不要かと思う。いろいろと賛否が分かれる機種。人によっては、もはや音楽を聴くためのスピーカーではなく、音を聴くためのスピーカーとまで酷評するほどであるが、ロメオ的には分からんではない気もする。確かに、B&WSPは、解像やレンジ、S/N感などを考えればAVALONやソナスなどと比べてコスパは良いのだが、ポン置きしたときの音楽性の乏しさといったら酷いもの。ロメオはB&WN802→800Dと使っているが、結局、空間表現だの音色だの、いろいろとケチをつける間に(ケーブルを含め)多額の投資を強いられた。しかし、ポテンシャルが高く投資のしがいがある機種なのも事実で、ケーブル交換にも逐一反応するだけの環境追従性も備えている。なるほど800Dにしても、音を聴くためのスピーカーとは言ったもので、こういった企画に参加している身としてはなかなかに重宝するものだ。そんなわけで、本企画ではいろいろな局面で使用し、ケーブルを聴き比べている。余談だが、最近のロメオは38cmの魅力に負けつつあり、801への乗り換えも考えていたりする。801Dとか使ったことある人、いらっしゃいましたらぜひとも感想を聞かせてやってくださいまし。

 

追記:2015年3月あたりまでは、WILSONやJBLの中堅機も用いていたのですが、オーナーが遠隔地に転勤になってしまったため、現在は主にAVALON DIAMONDを使用してのレビューが中心になっています。

以上の4+1項目をもって、本サイトの主な観点の説明とさせていただきます。今後とも、オーディオケーブル情報サイト「Cablefan」を宜しくお願いいたします。