皆様、こんにちは。オーディオケーブル情報サイト「Cablefan」の管理人を務めますロメオと申します。

こちらのページでは、我々がケーブルレビューを行うにあたっての、主な評価基準に関して説明しております。大きく分けて、基本性能タイプ主な特徴ポジショニングの4項目になります。

全ての評価は、一貫して聴感評価に基づくものであり、同時に編集者の主観に基づくものです。内容の客観性については、一切保証いたしません(勿論、客観的であろうと心がけてはおりますが)。したがいまして、この点に関して納得していただける方のみ、お読みいただければ幸いです(ただし、メーカー側が公表しているスペック値や、ケーブルの発売日の年月日等の誤記が認められるケースについては、適切なご指導をいただければ訂正する用意があります)

 

[概要・タイプ]

概要は、各ケーブルの簡単な紹介したもの。

タイプについては、基本性能の各項目とは異なり、単純な良し悪しからは語れないポイントについて言及している。

まず、音像型か音場型かというのは大きなポイント(※)。音像型は、個々の音像のインパクト、精度、個性などを引き立たせることに長け、特定の楽器・奏者(打ち込み等)が音楽をリードするような演出をするものが多い。音場は特に奥に狭い場合が多く、音像は張り出すのが一般的。代表例は、NBS BLACK LABELシリーズ。音場型は、十分な音場の広がりや帯域バランスの良さなどを前提に、ステージ全体の統一感や完成度の高さによって聴者を魅了する。特定の楽器や奏者が突出することは抑えられ、音像が張り出すことは稀。代表例は、STEALTH DREAM(AC)ZenSati Seraphim(XLR)。また、両者の線引きは厳密ではなく、ニュートラルなものも多い。特に、昨今のスーパーハイエンドはハイバランス・ニュートラル志向が強い(TRANSPARENT OPUS(XLR)STAGE III KRAKEN(AC)、あるいはBMI OCEANIC STATEMENT(AC)など)。

※「型」については、一般にSPの分類に用いられる俗称であろうし、ケーブルの評価にこれを用いることは賛否両論あるだろうが、(筆者を含む)一般のユーザーには分かりやすい言い回しだと思っているので、使用している。

また、暖色系か寒色系かというのも、同様に大きなポイントである。尤もこれについては、説明は不要であろう。今後はここに、音色がライトかダークかという観点も加えつつ、内容を膨らませてゆく予定。

 

[基本性能総合]

あるケーブルについて、表にある各要素を総合的に評価し、格付けを行ったもの。

No.1>スーパーハイエンド>ハイエンド上級>ハイエンド入門>ミドルエンド>入門クラス

の6段階で評価している。尚、No.1は別格で、今のところTRANSPARENTのOPUS(XLR)STAGE III CONCEPTSのKRAKEN(AC)のみがこの評価。

また、現在のところハイエンド入門以上のケーブルを重点的に運用・レビューしている関係から、こういった格付けになっているが、後にミドルエンド以下が更に細分化される可能性はある。尚、評価基準は、客観性を心がけてはいるものの、最終的な判断は編集者の主観に基づく点については、予めご了承下さい。

 

[具体的な評価項目]

以下、●で区分した8項目については、上から

No.1>MAX>5>4.5>4>…>1

で評価している。やたらと細分化されていて申し訳ないが、複数本のケーブルを同時に比較することで各項目に優劣を付けてゆき、膨大な優劣の1:1関係を統合して点数化したところ、このような段階評価となった。偉そうに数値化しているが、あくまで主観上・聴感上の優劣を示す以上のものであり、実測値ではない。予め、ご了承下さい。

尚、No.1に関しては、圧倒的に優れた1本がある場合のみそちらをNo.1評価とし、複数本が拮抗している項目はNo.1評価なし、最高評価はMAXまでとしている。逆に、No.1評価を受けたケーブルについては、その要素については他と隔絶した能力を備えるケーブルとして、推薦する。

(2013/12/9追記)一部のユーザーの方から、評価の段階がごちゃごちゃしていて分かりにくい、とのご指摘をいただきました都合上、一部に関して修正を加えました。具体的には、MAX(No.2)という段階について削除し、我々が知る範囲で最も優れたものについてNo.1、その他についてはMAXに分類いたしました。また、5+評価についても同様の理由で廃止し、MAXに次ぐ評価を5とし、4.5>4.0>…、といった形で再評価いたしました(見た目のスコアはシビアになりますが)。現在、鋭意訂正中です。

尚、No.1評価に関してはあくまで我々が知る範囲でのNo.1であり、世界の全てのケーブルを精査した上でのジャッジメントではない点につきましては、予めご了承ください。

 

情報量

実際にスピーカーの前で聴いてみて、感じられる情報量の多寡を評価したもの。あくまで聴感評価であり、実際に周波数レンジやダイナミックレンジを測定したわけでも、微弱音まで全て数え上げたわけでもないため、その点はご容赦願います。というよりも、単純にS/Nが良く、周波数レンジとダイナミックレンジが広ければ必ずしも情報量が多く「感じられるか」というと、(物理特性はともかく)音を聴いた際の印象・感想の次元ではそうでない場合もあると思ったので、独自の要素として独立させた。

下記の解像感との相違点は、あちらが音像描写の精度に特化して着目する項目なのに対し、こちらは各音像プラス聴感上の「音の数」にも着目している点。よってこちらの方がやや俯瞰的。そんなわけもあって、どちらかといえば粒子感が豊かで音を振りまきがちな銀素材を導体に用いたケーブルについて、実力以上の評価をしがちだと感じる(レンジ感とは別に、そこそこのケーブルでも細やかな鳴り方をする)

 

解像感

実際に音楽を再現するにあたり、各音像の細部をどこまで高い精度によって描くことができているかを聴感評価したもの。所詮、我々はアマチュア集団なので、S/N比や周波数レンジといった観点はあまり持ち込まず、実際にスピーカーの前で聴いた感想を純粋に評価に反映するよう努めた。ただ、そもそも論として無縁の要素とは言いがたいため、実際のところ別項目であるS/N感・周波数レンジ感とは(結果的に)共通する部分も出ている。が、この「解像感」については、あくまで巷のアマチュアが言う「解像度」という観点から聴いたもので、オーディオ的観点からの聴感評価である点はご理解賜りたい。

余談だが、多くの方に馴染み深いであろう「解像度」というワードは、実際に度数を測定したわけではないため、本サイトでは敢えて使用を避けた。

 

情報コントロール力

上で述べた聴感上の情報量とは別に、その量感に見合った情報のコントロールがなされているかを評価したもの。ステージの広がりに対する情報量のバランス、各音における強・弱や硬・柔のメリハリ(S/N感とも関係する話)、等の個々の要素を踏まえた上で、全体を俯瞰するイメージで実際に音を聴き、最終的な評価を下している。さほどの情報量は感じられずとも、細部まで行き届いているケーブルについては高評価、量が多くとも情報を投げっぱなしにするようなケーブルは低評価、となっている。

「洪水のような情報量」といった表現が似合うようなケーブルは、軒並みこの項目の評価は低い。逆に、全体を俯瞰できる音場型の方が音像型よりも評価が高い、といった図式は原則として当てはまらない。例えば、STEALTH DREAM ACよりもアレグロACの方が評価は高い。音が整然としているというだけならDREAMが有利だが、一音一音のグリップ力やメリハリの付け方についてアレグロが勝るためだ。

 

聴感S/N(S/N感)

聴感上のノイズ量について、相対評価したもの。微弱音がどれだけ聴き取れるか、一聴しての背景の透明感はどの程度か、あるいは各音像の立体感・陰陽のメリハリがどれほど克明か、等々の観点からスピーカーの音を聴き比べ、評価している。尚、巷で一般的なS/N比という言葉を敢えて使用していないのは、実際に比を測定したわけではないため。あくまで聴感上の話としてご理解いただければ幸い。

 

周波数レンジ感

聴感上の周波数レンジの広さについて相対評価したもの。特に着目するのは、低域方向の周波数レンジの広さ。超低域(20~50Hz)の再現が難しい音源を使用し、その質感・量感を根拠としている。高域についても聴き比べたのだが、周波数レンジの広さ自体よりも、ヌケの良し悪しや音の細かさといった“聴こえ方(オーディオ的要素)”が際立ってしまい、正確な評価が難しかったため、そちらは参考までに考慮している。逆に、高域のヌケが良いケーブルは、実際以上の評価をしてしまっている感も否めないため、そのあたりは補正しつつお読みいただければ幸い。

 

帯域バランス

こちらは周波数レンジの広さ自体ではなく、バランスの良し悪しについて評価している。全体域を、超低域、低域、中低域、中域、中高域、高域、超高域の7つに区分し、各帯域の強弱・調和を聴き比べている。

我々のやや変わった点は、各帯域の量感のみならず、質感も含めた総合的な存在感に着目する点。極端に言えば、厚みばかりで密度感のない低音は、(量感はともかく)印象としてはぼんやりしたものであり、悪い意味で存在感が小さく、結果として厚みと密度感を十全に備えた低音ほど極端な(聴感上の)ピラミッドには傾斜しない、という考え方である。

話を戻すが、本項目は、帯域毎の存在感がどこまでハイバランスであるかを聴感評価したもの。当然、フラットであればある程、評価は高い。逆に、低域がやたらと主張する「ピラミッド型」、超高域と超低域の存在感が小さい「かまぼこ型」、あるいは中域の存在感が小さい「ドンシャリ型」と感じられるケーブルは低評価となっている。また、複数のマテリアル(銀と銅、など)を併用し、帯域毎に音色が異なるケーブルについては、その程度によってはマイナス評価をつけている。

 

 

音の分離感

ひとことで言えば、どれだけ音がごちゃごちゃしていないか、という点を評価したもの。感覚的な判断も多分に含み、純粋な解像度・分解能、あるいはS/Nの観点とは若干異なる。

情報コントロール力と同様にやや複雑な評価基準。聴感上の音の分離を意識しつつ実際にスピーカーの音を聴いた感想と、(何だかんだで)最も重要な要素であるS/N感の双方を踏まえて評価している。分離については、単純な感想のみに着目して評価し、後で判断の誤りに気付くことも多かったので、このような評価基準とした(電源ケーブルなどは、後段に繋いでぱっとしなかったものについても、前段に繋ぐとS/N感の良さがゆえに力を発揮することが多々ある)。前述したコントロール力と異なる点は、音像描写のメリハリよりも、各音像を定位させた場合に像と像の間に生じる空間的な隙間の大小に着目している点である。よって、時として空間の広がりも重要な要素になる。

 

汎用性

音色面での癖の少なさに加え、帯域バランス・ステージ展開等の要素も踏まえた「使いやすさ」について、総合的に評価したもの。汎用性というと、どれだけ広いジャンルを楽しく聴かせるかというジャンル的観点と、よりアコースティックの原音に忠実であり、つまりどれだけ音色面の普遍性に優れるかというピュア的観点があると思うが、我々の場合は後者。

音源はジャズや特にクラシックなど、編集の影響が小さい音源を多用し、生演奏のイメージを想起しつつ、アコースティック本来の音色・空気感がどの程度正確に再現されるかをチェックする。また、ステージ展開も重要な要素であり、フルオーケストラやビッグバンドジャズなどを、前後・左右・上下にどこまでバランス良く展開してくれるか否かもチェックする。

とはいえ、基本的にケーブルの使い勝手は、コンポーネントとの相性が9割5分であり、ケーブル単体での汎用性を語るのはナンセンスだとも思うので、あくまでこの項目はおまけとして捉えていただきたい。

 

[主な特徴]

上のような区分とは別に、そのケーブルを考察する上でぜひとも触れておきたい点の説明。基本的に、一聴して感じ取れたレベルの特徴・個性について言及しているもの。

内容については、タイプや基本性能の項目と若干かぶるものも含まれているが、切り口は異なるものになっている。また、客観性をもたせるための手段としては、数値で評価するよりも、具体的なケーブルを比較対象として挙げつつ説明するのがメイン(数値での評価は手に余る)。基本的に、良い点を挙げて褒めちぎっているため、甘口(辛口の批評については、後に[課題]として掲載予定)。逆に、ここで辛口レビューをなされているケーブルについては、[課題]ではボロクソに書く可能性が高い。

 

[ポジショニング]

あるケーブルについて、システム内のポジションに関する向き・不向きについて考察したもの。特に、電源ケーブルのレビューでは重視している。一連の機器類を、パワーアンプをはじめとする大電流のポジションと、デジタル系を中心とした小電流のポジションに大別し、それに加えて各ケーブルのポテンシャルを照らし合わせている他、ケーブルの個性や癖の大小についても考慮している。後者については主観や好みの問題も大きいため、前者(特にパワーアンプをきちんと駆動できるか)について着目して読んでいただいた方が無難かもしれない。尚、ここでいう「壁」とは、パワーアンプを除いた機器類の上流(中電流)として定義している(パワーアンプの電源については、専用のコンセントから引っ張る方が多かろうと思うので)

 

[課題](予定)

あるケーブルの改善すべき点や今後の課題について、我々の見解を述べたもの。メーカーさんに対してはキツい一言になる可能性が高いが、新規にケーブルを購入される方にとっては最も重要なことだと思うので、掲載を前向きに検討中。

 

以上をもちまして、我々がケーブルレビューを行うにあたっての主な評価基準についての説明とさせていただきます。長くなりましたが、最後までお読み下さり、ありがとうございました。今後とも、オーディオケーブル情報サイト「Cablefan」を宜しくお願いいたします。